列車の中で朝を迎えました。
一面の雪景色。
家もヴェネツィアとは全然違う形をしていて、
いつのまにか看板も読めなくなっていました。
外国に来たのです。
イタリアに来て初の外国。
同じヨーロッパとはいえ、外国!!!!
やばかった、もしや甘かった、
こんなドイツ語ばかりの国で四日も生き延びれるのか、
不安が過ぎりました。
なんとなく日頃から外国にいるので、
イタリアもオーストリアも同じような気がしてたのです。
だって隣じゃん、と。
日本では、陸続きの隣って日本以外ありえないですからね。
でもそんな不安も束の間、
こんなに近いのに違う言葉、習慣、文化を目の当たりにし、
やっぱりテンションは上がります。
とにかく駅に着き、地下鉄に乗って、ホテルへ。
荷物を下ろしてから街を見に繰り出しました。
特にプランも練っていず、
午後はオペラのチケット取りとオペラにかかりっきりなので、
メインイベントだけを決めたら後はそこを中心にした
午前中だけの行き当たりばったり観光になりました。
でも案外よく出来た旅になり、
王宮の聖アウグスト教会で日曜ミサを全部見たり、
美術館を回ってクリムトを見まくったり、
モーツァルトの家に行ったり、
メインストリートをぶらついたり、
全然風情がないドナウ川を見たり、
相当楽しんでいました。
言葉がわからなくてもどうにかなるもんだww。
昼過ぎからは立ち見席チケット確保の行列に並び、
ひたすら待ちの数時間。
二月の寒い時期でしたが、屋内だったので意外と平気で、
留学生や観光客らしき日本人の多さには、驚愕でした。
三晩のオペラの演目は調べてありましたが、
行くかどうかはその場の感じで決めよう、
ということにしてました。
でも結局初日の「トリスタンとイゾルデ」を見たあと、
あまりの素晴らしさに、これを一晩でも見逃す手はないと意見が一致(笑)
二日目は「愛の妙薬」、三日目は「トスカ」。
めまいモノの好演目。
気合でかなり長時間並んでいただけあって、
立ち見席の最前列を常に確保していたので、
チビの私でもすっかり劇場が見通せる良い環境でした。
ホテルまでは徒歩で20分ほどと少し遠かったですが、
どうってことありませんでした。安かったし。
最終日は恒例の祝杯もあげ、お土産もちゃんと買って、
食べるべきものも食べ、
これまた充実の旅行となりました。
さすがに三晩も続けて超一流の音楽を生で聴いていたので
やる気も充分!!!
景色を見ながら国境を越えたかったので、帰りは
日中の電車に乗り、家へたどりついたのです。
翌日、ピアノに触ると不思議なことに、
指の軽いこと軽いこと!!
結局疲れがたまっていたのでしょうか、
四日間弾かなかったこと、
生の音楽を聴いたことは、
完全にプラスに働いたのです。
逆さ師匠からも
「調子いいじゃん」のお言葉。
嬉しすぎる!
調子にのって指が空回りを始めないよう、
逆に慎重な練習を心がけての
直前準備となりました。
ちなみにこの間にヴェネツィアでは
カーニバルを迎えており、
私達がウィーンではしゃいでいた頃
運河や小道では仮装の人々が行きかっていたようです。
カーニバルが去るとともに短い2月も終わり、3月。
4日の初日まで連日で合わせが行なわれることになっていました。
日本から送ってもらった本番用ドレスも届き、
次回、リハーサルinフェニーチェ歌劇場。
つづく