先生が貸してくれた楽譜を使って、
あれこれ奮闘する観音。
とはいえ先生も大筋は私のやることに注意をせず、
「そのままそのまま」という感じでした。
私は毎回先生が弾いてくださるのを横からみて、
必死で盗むしかありません。
さて、オーディションには伴奏が必要、ということで
年末になってようやく伴奏者探しを始めました。
が、見つからない。当然。誰もが実家でクリスマス、なのです。
ようやく見つけたのは同じ日本人ピアニスト、
留学同期のK君。
分けて欲しいくらい控えめな性格の彼は、
「もし僕にやらせてもらえるなら・・・」
と、快くオッケーしてくれたのでした。
ひとまず安心♪
と、そこへ、救世主登場!!!
逆さがはるばるコーチをしに来たのです(ウソ)。
可哀そうな逆さ君は、ヴァカンスステイのはずが
オーディションまでの間私のコーチ兼家事手伝いをするはめに
なってしまったのでした。
あらかじめ言ってあったため、
コンチェルトのCD数枚とスコアを持って来た逆さは
先生のレッスンにも付き添って一緒に勉強してくれました。
新コーチは作曲科的見地から、
甘いポイントをざっくざっくときってくれ、
おまけにどこで会得したものなのか、
ピアノはあまり弾かないはずの彼が練習法まで指導、
これが大当たりでちょっと垢抜けた感じになってきたのです。
ピアノ歴22年のプライドなんかかなぐり捨て、
もうこうなったらついていくしかありません。
といっても、いつでものんびりな私、
イタリアへ来て更にのんびりになり、
ご飯を作ったり、お買い物に行ったり、
お昼休みやアフターディナー(笑)を楽しんだりしながら、
いつも通りな日々を逆さと送りました。
そして。
K君との合わせ数回を経て、
いよいよオーディションがやってきたのです。
つづく